レポート

実家の昭和な壁スイッチを、自分でワイドハンドルに交換してみた【第二種電気工事士のDIYレポ】

ekkun

去年第二種電気工事士の資格を取りました。

……と書くと、なんだか立派な志があって取ったように聞こえますが、正直なところ「古い家をいじってみたい」というふわっとした動機が9割です。残りの1割は、たぶん勢い。

で資格を取ったあと、ずっと気になっていたものがあります。

実家の、壁スイッチです。

これ。見覚えのある人、多いんじゃないでしょうか。
ちょっと黄ばんだ、あの角の丸いやつ。押すと「パチンッ」と昭和の音がするタイプです。
うちの実家の自室には、織物っぽい壁紙にこのスイッチがついていて、子どものころからずっとこの景色でした。

別に壊れてるわけじゃないんです。普通に点くし、消えます。
でも、せっかく資格を取ったし、自分の手で「ちゃんと電気工事っぽいこと」を気軽に一回やってみたかった。
今っぽいワイドハンドルに変えたら、たぶん部屋の印象もちょっと変わるはず。

というわけで、今回は 古い壁スイッチをワイドハンドルに自分で交換するまで を、手順とリアルな感想つきでお届けします!

最初に大事なこと資格がないとやっちゃダメです

軽いDIY記事のノリで始めましたが、ここだけはちゃんと前置きさせてください。

壁スイッチの交換(配線をいじる作業)は、第二種電気工事士の資格がないと法律上できません。
これは気持ちの問題じゃなくて、電気工事士法でガッチリ決まっている話です。
しかも、もし無資格工事が原因で火事や感電が起きた場合、火災保険が下りない可能性まであります。罰金より、こっちのほうがよっぽど怖いです。
「コンセントの差し替えくらいいけるっしょ」と素手で突っ込むと、感電のリスクもあるし、最悪、家を燃やします。

なので、この記事は「誰でもできる簡単DIY!」ではなく、資格を持っている人間が自分の実家でやってみた作業レポートとして読んでもらえると助かります。
気になった人は、まず資格から。
意外と独学でいけます(その話はまた別の記事で!

用意したもの

今回そろえた道具と部材はこんな感じ

  • 新しいスイッチ一式(パナソニック コスモシリーズワイド21/ハンドル・取付枠・プレート)
    プラスドライバー
    マイナスドライバー(線を外すとき用)
    テスター(デジタルマルチメーター)

スイッチ本体はホームセンターでも買えますが、テスターはメルカリで安く手に入れました。
中古工具を探すときのメルカリ、本当に頼りになります

買ってきたスイッチですが、パーツを分けてみると、
①スイッチ本体、②ハンドル、③プレート枠、④化粧プレート、と役割がはっきり分かれていて、組み立てはわりと直感的でした。

全然説明書なしでもいけちゃうくらいです。

STEP0:まずブレーカーを落とす(いちばん大事)

工事のうんぬんより先に、ブレーカーです。

実家の分電盤をはじめてちゃんとみました。
主幹は50A。スイッチがどの回路につながっているか分からないときは、正直、面倒くさがらず該当の子ブレーカーを落とすか、不安なら主幹ごと落とすのが安全です。

ここをサボると本当に危ないので、面倒でも必ずやること。
電気は目に見えないぶん、油断すると非常に怖い相手です。

STEP1:電圧がゼロかテスターで確認

ブレーカーを落としたら、「本当に電気が来てないか」をテスターで確認します。

00.00 V。 この数字を見た瞬間の安心感、伝わりますかね。

ブレーカーを落としたつもりでも、別系統だったり、思い込みだったりすることがあります。
だから「落とした=安全」ではなく、「測って0だった=安全」。
ここを自分の目で確かめてから、ようやく壁に手をつけます。
検電器でもOKですが、僕は数字でハッキリ見たい派なのでテスター派です。

STEP2:古いスイッチを外す

ここからが本番。プレートを外して、中の本体を引っぱり出します。

壁の奥には黒い埋込ボックスがあって、そこから白と黒の電線(VVFケーブル)がスイッチ本体につながっています。
引き出すと、こんな感じで配線がむき出しに。

正直、ここでちょっと緊張しました。「これ、戻せなかったらどうしよう」っていう、初めての作業特有のあのソワソワ。
でも、テスターで0Vを確認済みなので、自分に言い聞かせて手を動かします。

線の外し方は、本体の裏にある外し穴にマイナスドライバーを差し込んで、軽く押しながら引き抜くだけ。
思ったよりあっけなく「スポッ」と抜けました。

ここで地味に大事なのが、どの線がどこにつながっていたかを覚えておくこと。
写真を撮っておくと安心です(僕はバッチリ撮りました。この記事のおかげとも言える)。
ただこのスイッチは極性がないので忘れても問題ないです。

【余談】そもそもスイッチって、種類があるんです

ここでちょっと寄り道。

スイッチ、ぜんぶ同じに見えて、じつは中身が何種類かあります。代表的なのは3つ。

  • 片切スイッチ:1か所でON/OFFする、いちばん普通のやつ。トイレや個室はだいたいこれ
  • 3路スイッチ:階段や廊下みたいに、2か所から同じ照明を操作するやつ
  • 4路スイッチ:3か所以上から操作する、ちょっと豪華なやつ

見た目はそっくりでも、中の配線が違うので、買うときは種類を間違えないのが鉄則です。今回の実家のスイッチは、1か所でパチッとやるだけの片切。電気工事士の実技試験でさんざん組まされたやつなので、再会してちょっと懐かしくなりました。

ありがたいことに、コスモシリーズの本体はスイッチ部分が青いと片切と見分けられるようになっています。写真②のパーツ、よく見ると青いでしょう? これが片切の目印。迷ったら、外す前のスイッチをホームセンターに持って行って「これと同じやつください」が、いちばん事故りません。

寄り道おわり。配線に戻ります。

STEP3:新しいスイッチに配線する

外した線を、新しいスイッチの取付枠に組んだ本体へつなぎ替えます。

差し込み式なので、ストリップゲージ(むいた線の長さの目安)に合わせて、奥までグッと差し込むだけ。カチッと手応えがあると気持ちいい。

ちなみにこの「むく長さ」、メーカーで微妙に違います。
パナソニック(旧・松下電工)は約10mm、東芝は約12mmが目安。
スイッチ本体の裏にゲージが刻印されているので、基本はそれに合わせればOKです。
長すぎると銅線がはみ出て危ないし、短すぎると抜ける。エンジニアの血が騒ぐ、地味に几帳面な工程です。

単極スイッチなので、極性はそこまでシビアに悩まなくて大丈夫ですが、外す前の状態を再現するのが基本です。さっき撮った写真、ここで効いてきます。

線をつないだら、軽く引っぱって抜けないか確認。
スポッと抜けたら差し込みが甘い証拠なので、やり直します。

STEP4:壁に固定して、ハンドルとプレートを付ける

取付枠を埋込ボックスにビスで固定したら、あとはハンドルとプレートをはめていくだけ。ここはもう、ほぼプラモの仕上げ工程です。パチパチはめていくのが地味に楽しい。

枠 → ハンドル → 化粧プレートの順で重ねていって……

STEP5:ブレーカーを戻して、点灯確認

すべて組み終わったら、落としていたブレーカーをON。
そして、スイッチを押す。

……点いた。

地味です。すごく地味な達成感です。でも、これが効くんですよ。
さっきまで黄ばんだ昭和スイッチだった場所が、フラットで真っ白なワイドハンドルに変わって、押し心地も「パチン」から「スッ……トン」みたいな上品な感じに進化していました。

ビフォーアフターを並べると、変化はささやかなのに、なぜか部屋全体がちょっと今っぽく見える。
スイッチって、毎日何回も触る場所だからこそ、変えると効果がじわじわくるんだなと実感しました。

やってみた正直な感想

良かったところと、注意したいところ、フラットに書いておきます。

良かったところ

  • 押し心地が圧倒的に良くなった。ワイドハンドルは面が広いので、暗闇でも手の甲でバンッと押せる
  • 見た目がスッキリして清潔感が出る
  • なにより、資格を取ってから初めて「実用」できた達成感がデカい

注意したいところ

  • 繰り返しますが、資格がないとできない作業です。ここは譲れません
  • 古い家だと埋込ボックスや壁紙が経年で傷んでいることがあり、外すとき周りがちょっと欠けることも(うちもちょっとだけ壁紙がほつれました)
  • スイッチの種類(単極・3路など)によって配線が変わるので、外す前の状態確認は必須

ひとつだけ、ちょっと後悔していること

完成して大満足……なんですが、ひとつだけ「あ、こっちにすればよかったかも」と思ったことがあります。

ほたるスイッチにしておけばよかった。

ほたるスイッチっていうのは、照明が消えているときにハンドルがぼんやり緑(やオレンジ)に光るタイプ。
暗い部屋でもスイッチの場所がすぐ分かる、あれです。今回つけたのは光らない普通のやつでした。

なんで後悔したかというと、うちの照明、リモコンでもオン・オフできるんですよね。
これが地味にややこしい。

部屋に入って電気が消えている。さて、これは「リモコンで消したのか」「壁スイッチで消したのか」、ぱっと見では分からないんです。壁スイッチが切れているのにリモコンをポチポチしても、当然つかない。
逆もまた然り。一人で「あれ? つかない、なんで?」と無言でリモコンと壁を往復する、あの地味なストレス、わかる人にはわかるはずです。

ここでほたるスイッチなら、スイッチが切れているときだけ光るので、「光ってる=壁で消えてる、まず壁を入れよう」と一目で判断できます。
リモコン照明とほたるスイッチ、相性が良かったんだなあと実際使ってみてから気づきました。

まあ、これはこれで「次やる理由」ができたということで。前向きにいきましょう。

おわりに

「資格を取ったはいいけど、使うあてがない」状態だった自分にとって、今回の交換は最高の第一歩でした。

作業自体は30分もかからないし、難しいテクニックも要りません。
けど、自分の家の電気を自分の手でいじって、ちゃんと点いた瞬間の感動は、ちょっとクセになりそうです。

そして、さっき書いた通り、次こそはほたるスイッチに挑戦してみようと思っています。
実家の別の部屋もまだまだ昔ながらのスイッチだらけだし、祖母の家にはまだ直付けの蛍光灯のところとかもあるのでそういった部分もLED化したりとか色々工事していきたいですね。

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